白麹で造った日本酒 これもブーム?

 日本酒に白麹?

ここ何年か、白麹で造った日本酒が地酒メーカーの間で次々に造られ、まるでブームかのように見られているようです。100%白麹かどうかは、それぞれに違う造りにしていて、ひとつの挑戦と言った方が良いのかもしれません。

つい先日、滅多に買わないのに買ってきた日本酒の表記に「白麹」とあったのに驚きました。
黄桜「呑」

メーカーのホームページより引用:

食事の美味しさを一段と引き立てる「合わせ麹」を使い、米の旨みを存分に引き出しました。「黄麹」でまろやかな甘味のある味わいと旨みを引き出し、「白麹」ですっきりとしたさわやかな酸味とコクと巾のある味わいに仕立てました。飽きのこない「すっきりまろやか」な美味しさをお楽しみ下さい。
いよいよ大手のパック酒にまでやって来たか!
これが私の感じ方でした。
実は、白麹の日本酒については、聞いたような覚えはあったものの、すでに忘れた存在だったのです。
たぶん、その時の自分には正直なところ興味が沸かなかったのでしょう。

そこで改めて調べてみると、かなり多くの地酒メーカーが参戦していました。
「ワインのようなお酒」という売り文句が中心のものが多いです。 もっともこの黄桜呑に、それは当てはまりません。

 麹それぞれの得意技

酒造り(焼酎を含めて)に使われる麹は3種類です。
黄麹、黒麹、白麹。
昔から黄麹は日本酒。黒麹は沖縄の泡盛。白麹は存在しませんでした。

黒麹を使う過程で、突然変異として生まれたのが白麹です。
違いは、黒麹は深い味わい、白麹はスッキリとした味わい。そして、この二つ共が酸味の強い麹です。
ところが、黄麹は甘みを湛えています。

昔は焼酎もこの黄麹を使っていました。昔ながらの造りでは、雑菌を増やさないために自然の乳酸菌を取り入れて造るのですが、暖かい地方ではこれが上手くいかず、酸化腐敗し、失敗することが多かったそうです。

しかし、九州の焼酎を沖縄の黒麹を取り入れて使うことで、上手く造れるようになったのは、黒麹の持つ酸味だったのです。これが不要な雑菌を死滅させ増殖を押さえてくれました。
そして、九州の焼酎作りはいつか黒麹が中心になり、定着していきました。

それ以上詳しい経過は横に置きます。
そんな中で現在。
酸味の強い白麹を使った日本酒が現れてきた。
酸の効いた日本酒をどう扱うかが新しい挑戦なのだと捉えると、もうしばらく様子を見ていたいですね。
私個人の見解として、日本酒の美味しさの本質は「黄麹」にあると思っています。でも、挑戦は必要です。
ことの成り行きには、十分に関心を持ちながら見守りたいですね。