売上に悩む 対策前のヒント

犯しがちなこと

居酒屋に限らず、飲食店を営んでいると順調な時ばかりではありません。従業員が集まらず苦労することもあれば、雨ばかりでお客様の足が遠のくこともあります。

そんな悩みを抱くのは、目標の売上に届かないからに他なりません。そして既に、いくつもの改善や工夫や努力を繰り返し、人に教わることなどないほどに経験している方が多いのも事実でしょう。

従って、私が今更、解決方法を教えましょうなどと、おこがましいことを言うつもりもありません。ここでは、私が失敗しながらつい忘れがちだったことをまとめてみたいと思います。

 数字で根拠を押さえないで走る

売上減の原因を探るに当たって、私なりに自分の失敗から振り返ってみます。
何故なら、誰もが知っていることで、体にも頭にも染み付いているのに、いざとなると、その「売上」の中身をもう一度深く考えようとしないで、対策ばかりを考えます。

そして思いついたままに「善は急げ!」と以下のように走り出してしまいます。

 19時までハッピータイムにしよう
 おすすめ料理を増やそう
 サービス券を作って会計時に配ろう
 などなど…
理由は?
 他の店もそうしているから
 お客様に言わたから
 サービス券を配れば来店回数が増えるから
 などなど…
まもなく見当違だったことに気づきます。

 自分たちに否があるとは考えない

ほとんどの場合、自分の店を振り返ることは稀です。

自分たちに問題があるとは考えません。地域の周りの変化やお客様のせいにして考えます。根拠を持って見直す努力を、最初から拒否しているような節があります。

  • 南の通りに新しい居酒屋ができた
  • 安さを売りにした居酒屋が駅前にできた
  • 常連さんが転勤になった
  • 常連さんが小遣いが厳しいと言っていた
そこに自分の店が原因になるような理由は見つかりません。
みんな他人のせい、周りのせいで締めくくっています。
これが誰もの考えがちなことです。
自分たちのせいにはしません。
そうなると表面を取り繕うような改善案しか出ないのです。
でもこれはみんなそういう過ちを犯すのです。
たぶん、私だけではないはずです。と、これも他人のせい?
そういうケースばかりが目立ちます。
さて、大切なことを次に探りましょう。

売上の原則から探る

以下は「根拠を持つ」ために、改めて自分で考え直したことを記していきます。

飲食店の売上は 売上=客単価×客数

これでしかないのです。そんなことは誰でも知っっていることですし、これが原則です。だからこそ、ここに立ち返らなければならないのに、目の前の現象ばかりにとらわれがちです。もちろん私もそうでした。

当然、手っ取り早く目の前のことから対策を考え、見当違いのことばかりをして、ますます深みにハマったこともあります。
そして、「あゝ、そうだ」と思い出すのです。

売上=客単価×客数 だと。

客数が落ちている場合は、案外直ぐに気が付きます。ところが、客単価が落ちている場合には、気付くのが遅れます。そこで、やっと自分の中で前年対比などの数字を並べてみることになります。

 数字に現れるパターンから分ける

当たり前の原則から数字の実態を把握します。
過去3ヶ月ほど、前年同月の実績と比較してみます。
売上=客単価×客数 がどうなっているかを知らないことには、本来その先に進めないはずですから。
その上で、現在の実態を把握するのです。
そして前年の数字と比較して今年の数字はどうかです。
その分け方は以下の5パターンです。
  • A 客単価(◯)×客数(減)
  • B 客単価(減)×客数(○)
  • C 客単価(減)×客数(増)
  • D 客単価(減)×客数(減)
  • E 客単価(増)×客数(減)
このパターンのそれぞれによって原因は違うはずなのに、そこを細かく見ないままで、自分たちに起因する要因は無視して「さあ大変だ!」と走り回っていることが多いのですから、適切な対応だった根拠などどこにもありません。

 可能性のある要因をあげる

数字で分ければ上記のA~Eの5パターンしかないはずです。
次は、この5パターンになる原因をピックアップします。
◯のように変わらない場合は無視します。
ここで大事なのは、客単価と客数の増減の思い当たる、昨年と変化した一般的な原因を箇条書きにすることです。

要は4項目しかありませんので、客単価から書き出しましょう。

 客単価(減)の場合

  • 料理の提供スピードが落ちた
  • 料理の味が落ちた
  • 料理の盛り付けが雑になった
  • メニューに飽きられた
  • 接客のサービスレベルが下がった
  • 呼ばれてもオーダーを聞きに行けない
  • 店の環境(設備)に不備がある
  • メニューの価格を下げた
  • 客単価の下がるイベントを行った
  • 宴会コースの利用が減った

 客単価(増)の場合

  • メニューの価格を上げた
  • 注文数が増えた
  • 宴会コースの利用が増えた
  • 客単価の上がるイベントを行った
次は客数の増減についての原因が、「客単価の減」と同じ理由なら省略します。

 客数(減)の場合

  • 常連さんが店に飽きた
  • 新規客が来ない
  • 人気のあった従業員が辞めた
  • 近くの会社や工場が他へ移転した
  • DMを送っていない
  • ☆新規の人気店(競合店)が近くにできた

  客数(増)の場合

  • 集客目的のイベントを行った
  • 近くに新しい会社や工場ができた
  • 近くの競合店が閉店した
  • ☆新規の人気店(競合店)が近くにできた
☆は、新規の人気店が近くにできると、人の流れが変わり、自店の客数も増える場合があるからです。
ここまで来たら、あとはそうなった原因が自分の店にあったかどうかを探ればいいだけです。胸に手を当てて、正直に見ることができれば、簡単ですね。
そうすれば、その対策を考えれば先に進めます。

 例をひとつだけ

要 因: 料理の提供スピードが落ちた ← 調理場のアルバイトが1人やめた。
改善案:
  • 急ぎ募集して補充する
  • ホールの従業員に余裕があれば、調理場を兼務させる
  • 仕込みの仕方を工夫する→ 仕込みだけホールから手伝う
  • 仕込みの準備をもうひとつ先まで進めておく(2次加工まで)
  • 手のかかるおすすめ品を変更する
  • ホールのオーダーの聞き方で早いメニューに上手く誘導する
  • 追加オーダーを聞くタイミングを前倒しにする
  • 料理の催促が来る前に一言かけるようにする
  • 他店舗からのヘルプを要請する

肝心なことは「遅くなります」と言わないことです。「言ってあるんだから、文句を言うな、催促するな!」と同じ意味になります。

さて、何かヒントになったでしょうか?

ここから先は、改めて書き足したいと思います。