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夏の暑さの様変わり
無濾過の生酒であったり、発泡の薄濁りだったり、場合によって氷を入れて飲むと合いそうなものも特別扱いで並びます。
40年ほど前、私が住んでいたアパート(東京都杉並区)には扇風機はおろか団扇さえなかったと思います。しかし、そんな住まいでも暑さに身を持て余したことはありませんでした。しかもそれは私に限られたことではなく、仲間の学生たちで風呂付きのアパートに住んでいる者など20人に1人もいなかったような時代ですから、よほどでない限り、環境に大した差はありませんでした。
現在のように全く様変わりした夏は、いったい何時からやって来たのでしょう。40年前に現在のような質の暑さだったなら、まるで毎日が我慢比べにしか見えないかもしれません。
萬歳楽「白山氷室」
日本中の酒蔵が「夏の酒」と銘打って、これでもかと言うほどに選択肢を増やしてくれることなど、想像すらできなかった頃と比べると、今の夏は何と幸せなことでしょう。
ただ、冷凍庫や保存温度の制約で、思い通りの品質での提供が難しいことから、蔵元からの直送以外に、取り扱う酒屋さんは本当に僅かなことでしょう。
このお酒は、私が以前に仕事をしていた店でも置いたことがあります。
当時の萬歳楽さんの東京事務所の方が熱心に店を回ってディスプレイを工夫してくれたことを今でも覚えていて、その努力のお陰で売れ行きも向上しました。
※ 画像は蔵元さんのwebページより転用させていただきました。
やはりお酒というのは、季節とともに、人の生活とともに、寄り添って変わっていくものなのでしょう。
私は、この米の国に生まれて、米の酒に恵まれて、季節の移り変わりを同時に楽しめる国を、誇りにしたいと思います。