床屋の床屋でない技術 職人の生きる道

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 新しい職人技

もしも、当たり前だと思っていたことが、実は当たり前でなかったら。

床屋さんも次々に変化して、今では様々な形態を利用できるようになりました。美容室に通う男性も多いと聞きます。 そしてつくづく思うのは、床屋さんこそ、技術を売る「人件費」の商売なんだなあということです。一般的な床屋さんは、現在は大人が4,000円ほどでしょう。丁寧に1時間かけて調髪してくれます。設備投資と人件費を考えて、高いと思いますか?

待ち時間も少なく、短時間で終わる1,000円カットの床屋さんを何度か利用しました。チェーン化して今や何店舗も出店しているところもあります。

しかし、居酒屋の店での仕事の日には私は決して行くことはありませんでした。
洗髪をしないことから、万が一でも、残った髪の毛が落ちて料理などに入ることは許されなかったからです。
掃除機
案の定、どんなに綺麗に掃除機のようなバキュームで吸い取ってくれても、その日の夜、自宅で洗髪すると細かい髪の毛がたくさん習い流されました。
ところが、先日利用した日の洗髪では、そんな髪の毛があまり出てこなかったのです。
担当はいくぶん年配で経験豊富そうな方でしたが、これも技術なのかと感心してしまいました。床屋さんの技術とは思えないことも、これからは必要な技術になるのでしょうか?

いつの時代も職人技とは奥が深いものです。

 職人の生きる道

床屋さんの大切な技術の「洗髪」と「顔そり」を省略することで、1,000円の床屋さんは設備投資が遥かに安くなったはずです。

お金のかかる水回りやボイラー・給湯設備が要らない。さらに10分程しか腰掛けないうえ、 顔剃りがない分、椅子もリクライニングや優れた座り心地は不要。

一人のお客様に1時間ほどをかけていた床屋さんが、10分程で済ませることで、引き換えに手にした人件費効率。
これまで、お客様が床屋さんに求めていたものは何だったのでしょうか?

利用する人たちが、床屋さんであれ、私の専門の居酒屋であれ、求めているものの本質は何なのでしょうか?

当たり前だと思っていたことが、実は当たり前でなかったら。
そこに手を付けて見直した結果、広がった選択肢と同じだけ、最も肝心な本質への悩みも広がっていきます。