ブラックニッカ クロスオーバー Rich Smoky

この記事の目次

ブラックニッカ クロスオーバー

ブラックニッカクロスオーバー (3)
グラスに注いだ瞬間から、えも言われぬ香りが立ち上ってくすぐって来る。
おゝ、これからウィスキーを飲むんだなあ…

口に含むと、柔らかい、熟した葡萄に少し似た甘さが広がってきて、その後すぐにスモーキーな(燻した)香りが心地よく鼻から抜けていく。

そこで初めてグラスに注いだ時に燻香が混じっていたことに気づく。

今はストレートで試している。
ブラックニッカ。
クロスオーバー。
今まで私が経験したのことのないウィスキーだ。

一体ブラックニッカとは、何者なのか?

ホームページによると「ブラックニッカ」と名のつくブランドで全9種類あるみたいだ。中には「8年」とかついたものもある。
ブラックニッカクロスオーバー (4)

・ クリア
・ リッチブレンド
・ スペシャル
・ ディープブレンド
・ ブレンダーズスピリット
・ クロスオーバー

「クリア」を見るまで、私の知識の中では「スペシャル」しかなかったような気がする。これほどまでにラインナップが増えているとは…

ブランドの価値

サントリーさんが「角ハイ」と銘打ってウィスキーハイボールを世に広げることに成功し、当然、他社としても手をこまねいて見ている訳にもいかず、アサヒさんは「ブラックニッカ・クリア」という新ブランドを立ち上げた。

40年ほど前、まだいくらかはウィスキーの売れていた頃、「サントリー角瓶」と「ブラックニッカ」は同じクラスのウィスキーとして売られていた。今で言えば「スペシャル」。

「クリア」はもちろん「スペシャル」よりもお買い得価格に設定されている。

当時、国産ウィスキーでトップを走っていたのはサントリー。ニッカはかなり遅れを取っていた。サントリーが看板を「ホワイト」から「角瓶」に、そして「オールド」にとバージョンアップしていく中で、ニッカの看板はどうしたってヒゲのブラック「ブラックニッカ」だった。

だからなのか、ニッカはずっと「ブラックニッカ」(=今のスペシャル)にプライドを持っていたはずだ。しかし、「クリア」を出してしまった。

ここ10年ほどのウィスキーファン、いやハイボールファンと言った方が正しいかもしれないが、ブラックニッカの「スペシャル」の存在さえ知らない人が増えたのではないか?

私が想像するだけだが、私には「ブラックニッカ」の失地回復プロジェクトのように思えてしようがない。「クリア」を安ウィスキーと言っては失礼だが、本来の「ブラックニッカ」は違うよ!と主張したくて仕方ないように見える。

私の想像などどうでも良いが、ブラックニッカのシリーズがこれほどまでに豊かな選択肢を持つようになるとは、嬉しくて嬉しくてたまらない。

さあ、ブラックニッカ頑張れ!