この記事の目次
ブラックニッカ クロスオーバー
グラスに注いだ瞬間から、えも言われぬ香りが立ち上ってくすぐって来る。
口に含むと、柔らかい、熟した葡萄に少し似た甘さが広がってきて、その後すぐにスモーキーな(燻した)香りが心地よく鼻から抜けていく。
一体ブラックニッカとは、何者なのか?
ホームページによると「ブラックニッカ」と名のつくブランドで全9種類あるみたいだ。中には「8年」とかついたものもある。
「クリア」を見るまで、私の知識の中では「スペシャル」しかなかったような気がする。これほどまでにラインナップが増えているとは…
ブランドの価値
40年ほど前、まだいくらかはウィスキーの売れていた頃、「サントリー角瓶」と「ブラックニッカ」は同じクラスのウィスキーとして売られていた。今で言えば「スペシャル」。
当時、国産ウィスキーでトップを走っていたのはサントリー。ニッカはかなり遅れを取っていた。サントリーが看板を「ホワイト」から「角瓶」に、そして「オールド」にとバージョンアップしていく中で、ニッカの看板はどうしたってヒゲのブラック「ブラックニッカ」だった。
だからなのか、ニッカはずっと「ブラックニッカ」(=今のスペシャル)にプライドを持っていたはずだ。しかし、「クリア」を出してしまった。
私が想像するだけだが、私には「ブラックニッカ」の失地回復プロジェクトのように思えてしようがない。「クリア」を安ウィスキーと言っては失礼だが、本来の「ブラックニッカ」は違うよ!と主張したくて仕方ないように見える。
私の想像などどうでも良いが、ブラックニッカのシリーズがこれほどまでに豊かな選択肢を持つようになるとは、嬉しくて嬉しくてたまらない。
さあ、ブラックニッカ頑張れ!