しまねの地酒フェア2018in東京 その1

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 お馴染みの「しまねの地酒フェア」

しまねの地酒フェアは私が何年も前から楽しみに通っている試飲会です。年々参加者が増え続け、人気の地酒フェアの一つです。今年は10月8日(月・祝)は東京で、11月4日(日)は大阪で開催され、私は東京の有楽町でいつも参加しています。

3年ほど前の第2部、一般対象者の会では12階の会場前のエレベーターホールに入場を待つ人が収まらず、その脇の階段を数フロア下まで人が続いていたこともありました。

今年は第2部の業界関係者限定の時間に予定を組めたため、混み方は多少緩和されていました。
今年の出展蔵は19蔵。
他の県の地酒イベントと比べても蔵数は少なめですが、人気はピカイチです。私は自分の好みからも「島根の酒」はたまらないところ。
酒造組合のホームページには「日本酒発祥の地」というページがあり、そこに詳しく記載があるので、興味のある方は確認してください。

 隠岐誉

隠岐誉は名前のごとく隠岐の島にある酒蔵。
隠岐酒造は以前にも紹介した90%シリーズが見どころ満載です。

飯米と同程度の精米で酒造りをする。この90%というのが最近ではたくさんの蔵元から発売されていて、ひとつの流れになっているようです。

隠岐誉 室町の純米酒90
・ 原材料  : 米・米麹(国産米使用)
・ 精米歩合 : 90%
・ アルコール: 17.0度 以上 18.0度未満
・ 日本酒度 : -40.0
・ 酸度   : 3.5
・ 価格   : 3,456円(税込)/1.8L
隠岐誉 江戸の純米酒90
・ 原材料  : 米・米麹(国産米使用)
・ 精米歩合 : 90%
・ アルコール: 15.0度 以上 16.0度未満
・ 日本酒度 : +15
・ 酸度   : 1.5
・ 価格   : 3,240円(税込)/1.8L

上記の数値は蔵元のホームページからの抜粋です。私の撮った画像では両方の酒の色合いが分かり難いので、画像も蔵元からお借りして四合瓶のものを貼っておきます。室町が左、江戸が右です。

現在のように精米技術が伴わなかった時代では、飯米と同じ90%ほどの精米で酒造りをしていたため、それに合わせて「室町」「江戸」と名付けてラインナップした企画の面白さ。私からは詳しく説明せず、上記にあげたスペックで判断してください。

そしてこの日は両方共に燗でも試させていただきました。「室町」の方は甘さを心地よさに変えるような味わいになり、むしろ燗の方が楽しみが増すように感じました。「江戸」も数値ほどには辛さが立ってこず、気持ちよく喉を通る辛口酒で、雑味も90%とは感じさせない造りです。

90%の精米で造ると手間は通常以上にかかるそうです。従って、酒造りとしては難しい。美味しく飲める90%精米の酒は厄介で原価を抑えても利益には繋ぎにくいということのようです。
この日同時に並んでいた「隠岐誉純米酒
 精米60%で、2,455円(税込)/1.8L。
コレは本当に素敵なお酒でした。

 宗味

宗味生もと仕込み純米
・ 日本酒度 : +3.0
・ 酸度   : 2.3
・ 精米歩合 : 70%
・ 使用米  : 五百万石(島根県匹見町)100%
・ 使用酵母 : 無添加(蔵付き酵母)
・ アルコール: 15度以上16度未満
「深みのある旨味、切れのある酸、膨らみがある味わい」これがテーブルにある説明書の謳い文句ですが、2.3という酸度が魅力であることがわかります。

ホームページにも「特徴的な酸味と深い味わいのお酒」とあり、さらに飲み方として、「ぬる燗◎」とあるだけに、燗をつけて飲むと一際この酒の良さがわかるのだと思います。しかしこの日は燗酒の用意がなく、残念ながら試すことはできませんでした。

こうしてスタートからどんどん攻めてくる島根の酒。
やれやれ、この先も思いやられるのは「飲み過ぎ」です。果たして無事に完走できるでしょうか!