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長浜城 歴史博物館
訪ねたその日は、花火大会のある日でした。
滋賀県長浜駅の改札を出て、お城へ向かう通路のPOPで初めて知ったのは良いけれど、そんな時間までとどまる自信はありません。
エスカレーターで降りていくと、正面に堂々としたオブジェがあります。
「秀吉がつくったまち長浜」のタイトルが右下で遠慮しているようにみえるほどの大きさです。
駅前の「豊公園」という広々とした公園を抜けると、一角に「長浜城=長浜城歴史博物館」があります。館内は歴博物館になっていてまだ新しいお城のようです。残念ながら中には入らず、周りを回って裏にある琵琶湖まで下りていきました。
広く長く続く浜。これがゆえに長浜と言われるのかと、勝手に決めてしまいました。さらにその先の岸辺の方まで行くと、また違った眺めを味わえます。
きっと今夜はこの辺りで花火を上げるんだろうなあと、これも勝手に想像して、空を見上げると、これまた勝手に、大輪の花火が見えるような気がします。
振り返れば、長浜城が美しい。
昼間から花火を思う
確かに、昼間からビールを思い描いて喉がなるほど。ゆっくり歩いて見て回るにはあまりに厳しい暑さゆえ、どうしたって行き先はショートカット。本来なら湖畔にボーッと座り込み静かな波の先を見ていたいのが正直な欲求なのですが、どうにも体がついていきません。訪ねる季節を間違ったと言えばそれまでの話ですね。公園の広場に上がる噴水が気分を変えてくれ、昼下がりの炎天下ではあっても涼味を醸し出しているのは救いでした。
しかし、公園を先程から30分はふらふらと歩いているのに、出会ったのは3人だけ。あまりにも人がいない。あるいは花火に備えて、今は我慢しているのか…
このところ、地方の街を訪ねた時に、想像以上に人が歩いてない風景を見ることが多すぎて、これが現状なのかと、自分では刷り込んでいます。各地の抱える悩みや問題は、この風景の中に凝縮しているような気がします。
花火の打ち上げまで5時間あまり。
満を持して、家族やデートや仲間たちやらで、きっと賑わうことでしょう。
人が動かなければ経済も動かず、人が定着しなければ町の経営も安定しません。観光やイベントではなく人が暮らしたい町はどんな町なのでしょう。
肝であり、永遠であるテーマの答えは、未だに空で鮮やかに弾けて花開く花火には勝てないのでしょうか。