関ヶ原「このまち、まるごと、古戦場」その1

近頃は、石田三成と大谷吉継の人気が上がっているらしい。
それを否定するつもりはないけれど、意外と日の当たらない人たちにスポットが当たっているかと思うと、歴史の面白さ感じる。

二人が最後を迎えたのが「関ヶ原」の合戦であることを考えれば、彼らに求めるヒーロー像が何たるものかが、少しだけ見える気がする。

この関ヶ原の合戦。
開戦は1600年9月15日のこと。実際は旧暦だろうから、10月のことかなと思いつつ、当時の田んぼの刈入れはどうなっていたんだろうと心配もする。

2017関ヶ原 (12)

滋賀の彦根からの帰り道で、急に思い立ってJR関ヶ原駅に途中下車。
8月の土曜日の昼前、降りたのは私の他は2~3人いたかなという程度。
そして正面から見る駅の佇まいは、失礼ながら田舎の鄙びた駅。

駅前の街並みからは不似合いなほどの立派な建物が駅出口正面にある。

2017関ヶ原 (8)

いざ!関ヶ原
・ 関ヶ原観光案内所
・ 関ヶ原観光交流館

交流館の左の一角に案内所があるという造りだ。
入口前の展示や看板からして、ひとつひとつ気が利いている。関ヶ原の駅からそれぞれの武将の名前をつけたコースが設けられている。距離にして10km前後の体験散歩コースのようなもので、ここ関ヶ原の合戦に至った歴史をも辿りながら、布陣跡や戦闘で移動した場所などへ順に連れて行ってくれる。家康も含めて各武将ごとに8コースほどあって、手にして歩くための各コース地図入りパンフまである。

なんて親切なんだ!

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来た人を楽しませよう、また来てもらおう、そういう思いが見て取れる。当然それだけ経費もかかっていることだろう。 だがそれは私からの嫌味ではなく、すごい努力だと思う。
観光地だって客商売。大切なことは何かを常に考えているに違いない。

見習うことは多そうだ。

しかし、広大に見える関ヶ原も、見渡せば山に囲まれた狭隘な土地。双方合わせて15万を超える軍勢が集まってのこと。あれ程の合戦が行われたとすれば、きっと方々に旗指し物が散らばり、倒れ込んだ負傷者や命を落とした人たちも数多くいただろうと想像すると、戦というものの悲惨さも見えてくるようだ。

そこで、もうひとつ気の利いたこだわりが案内所の前にある自販機。
メーカー名が大きく入ったものでは興ざめするだろうが、コレには感心した。

さあ、交流館に入ろう。

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