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激安居酒屋の条件
敢えて屋号は伏せておきます。
ここに近頃非常に評判がよく、首都圏で店舗数も伸ばし、お客さんの入りも常に良い超激安居酒屋があります。
元々は安いことで有名だった老舗の有名居酒屋チェーンが数年前に新しく開発し、拡大してきた新業態です。
かなり飲み食いしても、一人せいぜい2,000円で収まります。
かく言う私も何度も利用したことがあります。
この日は平日の15時。新宿西口の店はすでに5組ほどのお客様がいます。
値段が値段ですから、行き届いたサービスや、一般の居酒屋と遜色ない料理を求めるのはそもそも筋違い。
私はこれまでの仕事の癖から、飲食店に行くとつい原価計算をしてしまいます。そしてこの居酒屋では、やはり感心してしまうのです。
一度、格安居酒屋の採算について細かく計算したことがあります。
大きな声で言う話ではないのでしょうが、提供する料理はその量の基準を一般の半分にして、原価を20%以下にすることが必要です。
そのためには原価20%以下であっても、お客様を納得させる努力と工夫がないと認めてもらえないし、リピートには繋がることはありません。
居酒屋の生きる道
私たちが注文した料理は、その問題をみごとに解決していました。
周りのお客様たちを見回しても、皆さん満足顔に見えます。
ガーリックエッグ 290円
CDほどの大きさの鉄板で調理と盛り付けを同時に済ませています。
演出もオペレーションもよく考えていますね。
しかし、どう計算しても原価は30円になるかどうか…
でも納得です。
カレーポテトバケット 240円
これはアイデアの勝利ですね。
原価はたぶんこれも30円くらいと思われます。
しかもバケットのお替わり100円。バケットは2枚で18円でしょう。
上手いもんだなあ。
メインブランドの居酒屋チェーンで「料理を安く提供する」という使命のもと培ってきたノウハウを、さらに磨き上げて生かしている。
評判の良い、激安居酒屋。
果たしていつまで支持され続けるでしょうか?
もちろん私には居酒屋の王道とは思えません。
しかし、隙間というか、絶妙の居場所というか、他の格安居酒屋と比べても、その業界でトップの品質の商品を提供していることは確かです。
しかし、隙間というか、絶妙の居場所というか、他の格安居酒屋と比べても、その業界でトップの品質の商品を提供していることは確かです。
ここで懸念がひとつ。
結局のところ、この激安居酒屋と変わらない程度の接客で3,000円の単価をもらっている居酒屋はないのかな?
激安が居酒屋の中心になってしまうなら怖いなと思いつつ、納得の勘定を済ませてまだ明るい新宿の街に戻る私たちでした。